在宅医療に法律職を活かす

10月 16, 2020 在宅医療

 在宅医療を受けている患者さんの多くはすでに身の回りのことについてご家族やヘルパーさんのお手伝いを必要としている方が多いかと思います。

 財産の適切な管理や契約などの法律行為、終末期の明確な意思表示。あるいは、お亡くなりになった後の事務的な手続きなどご家族の負担軽減のために法律職のご活用をご検討ください。

在宅医療と法律職

 長い在宅での療養生活にかかわる中で、たとえば「お金の管理のこと」「認知症の患者さんのこと」患者さんをお看取りした後の「ご家族のこと」で不都合が生じたこと、ご相談を受けたことはありませんか?

 法律職を紹介することで、患者さんやそのご家族の日常生活の中ちょっとした困りごとを解決できるかもしれません。

この様な患者さんご家族にご検討ください

・ 単身の患者さんで財産の管理が心配

・ 最近認知機能に衰えが見える

・ 老老介護の状態にある

・ 高齢の配偶者を一人残すことに不安がある   など

 このような患者さんには、是非「生前契約」をご検討ください。

生前契約とは

 ライフステージに合わせた法的サポートを提供する契約です。在宅療養を続ける患者さんの中には寝たきり→認知症→終末期となる患者さんも多いかと思います。

 そんな患者さんの状態に合わせて、患者さんの「できなくなってきたことを順次サポートする」システムが生前契約です。

財産管理等委任契約

 高額の財産の処分(施設への入所資金の準備、定期預金の解約など)をするときに備えます。

後見制度

 事理弁識能力や認知機能が衰えたときに備えます。後見人には成年後見人、保佐人、補助人がありご本人の状態に合わせて法律行為のサポートを行います。

尊厳死宣言書

 公正証書で作成します。ご本人が積極的延命治療を望まない場合に作成します。

※ 「安楽死」を可能にするものではありません。

死後事務委任契約

 葬儀のこと、諸々の解約・名義変更手続きの依頼をする場合に作成します。

最後に

 1986年に「訪問診療」が保険診療に位置づけられ、また、2000年には介護保険制度が実施され、在宅医療を取り巻く制度はその後も拡充を続けています。

 その間に、十分とは言えない制度や診療報酬体系の中で在宅医療をを支えきたのは高い意識を持った医療・介護関係者であることは間違いありません。

 今後も在宅医療は医師、看護師、介護職が中心となるのは当然ですが、患者さんやそのご家族の安心をより万全なものとして、看取りを迎えるために法律職(あるいは知識)が必要となる場面も増えるかもしれません。