在宅医療・在宅時医学総合管理料(在総管)

 在宅医療の診療報酬の基本は、①往診料 ②在宅患者訪問診療料 ③在宅時医学総合管理料の3つ

 在宅時医学総合管理料(在総管)は、在宅医療を行う医療機関にとっておおきな診療報酬です。

目次

在宅時医学総合管理料(在総管)とは

 在宅時医学総合管理料(在総管)と施設入居時等医学総合管理料は、「計画的な医学管理の下に月1回以上の訪問診療を行った場合」に月に1回に限り算定することができます。

 「在宅患者訪問診療料」と似ていますね。在総管は在宅患者訪問診療料の算定を行っている患者さんには算定することができますが、往診料のみの患者さんには算定することができません。

 在総管と訪問診療料は似ている部分が多いので、算定の際には注意が必要です。

例:「単一建物診療患者」

 単一建物診療患者とは、ひとつの建物に居住する者のうち、ひとつの保険医療機関が在総管(施設総管)を算定する人数のことです。

 ①「1人の場合」 ②「2~9人の場合」 ③「10人以上の場合」の3つがあり、また、病名・状態によってさらに3つに分けられます(全部で9パターン)

算定要件

1.施設基準の届出

・ 診療所又は200床未満の病院

・ 在宅医療を担当する常勤医師が1人以上いる

・ 保険医療サービスを調整する担当者が配置されている

・ 他の保険医療サービス、福祉サービスとの連携に努める

・ 患者が別の診療科の医療機関を受診する場合に、診療の状況を記載した文書をその医療機関に交付するなど、
  十分な連携を図ることに努める

2.計画的な医学管理の下に、月1回以上の訪問診療を行っていること

3.「在宅療養計画」を作成すること

在総管を算定するメリット

医療機関のメリット

 在宅時医学総合管理料(在総管)は医療機関にとっては、おおきな収入となります。経営の安定につながるとともに、在宅医療提供の体制をより充実させ、質の向上にもつながります。

患者さんのメリット

 在総管が算定されてしまうと、患者さんの経済的な負担は増加します。

 しかし、在宅医療に必要な物品は在総管(施設総管)や在宅療養指導管理料などに含まれています。在総管にはそれ以外にも医学管理や投薬、処置で算定される項目が包括されています。この点、患者さんにもメリットがあります。

さいごに

1.経営安定につながる

 本格的に在宅医療を行うのであれば、十分な体制を整えることが必要です。そのためには在総管の届出はしておきたいところです。

2.他院との協力

 在宅医療の提供を受ける患者さんの中には複数の診療科にまたがる疾患を有しているケースがあります。在総管の届出をしている医療機関が依頼することで「訪問診療料Ⅰの(2)」の算定が可能になるなど、他院にとってもメリットがあります。

3.患者さんへの説明

 在総管は、月2回の訪問診療を受ける患者さんで2,750点算定することができます。しっかりと内容の説明をして、納得をしてもらうことが重要です。

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