在宅医療・在宅がん医療総合診療料(がん医総)

 在宅医療の診療報酬の基本は①往診料 ②訪問診療料 ③在宅時医学総合管理料の3つです。

 そして、もうひとつ知っておきたいのが「在宅がん医療総合診療料」です。「在宅がん医療総合診療料」を理解することで、患者さんが在宅医療をより受けやすくなる場合があります。

目次

「在宅がん医療総合診療料」(がん医総)とは

対象患者

 居宅療養中の「末期がん」患者

医療機関

 (強化型を含む)在宅療養支援診療所(病院)

要件

1週間当たりの訪問日数が

「訪問診療」1回以上+「訪問看護」回以上 ≧ 4回以上

→ 所定点数の7日分の算定ができる(実訪問日数が4日でも)

例)訪問診療(2日)+訪問看護(2日)

  1,495点×7日分=10,465点(※強化型以外の在支診)

医療機関のメリット・デメリット

メリットデメリット
① 医療機関と特別な関係にある訪問看護ステーションが
同日に訪問看護が医療保険の訪問看護を行えないというルールが適用されない。


② 訪問診療を行っていない日の分も算定できる
① 外部の訪問看護ステーションの訪問回数が増えると自院の取り分が減る。

② 処置、管理料、薬剤の費用も包括されている。

患者さんのメリット

メリットデメリット
① 請求元が医療機関のみになる
 (医療保険に一元化される)

② そのため、訪問看護についても「高額療養費制度」の対象となる。
① 70歳未満で所得が高い場合、「高額療養費制度」の扱いが異なる。

②明細書にがんであることが明記される

さいごに

「がん医総」or「出来高算定」

 「がん医総」は、訪問診療や看護の回数が多くならざるを得ない患者さんにとっては、メリットがありますが、外部の訪問看護ステーションに訪問看護をお願いしている医療機関にとっては、減収となる場合もあり得ます。

 医療法人内に訪問看護ステーションがある場合、自院に十分なマンパワーがある場合には、検討する価値がありそうです。