在宅医療と介護保険について
在宅医療の報酬は、原則として「医療保険」もしくは、「介護保険」から支払われます。
在宅医療は訪問看護や訪問介護など、多職種で患者さんの療養生活を支えることになります。そのため、介護保険について知っておくことはとても重要です。
目次
要介護認定について
介護保険のサービスは、「要介護申請」をし、要支援(1・2)、要介護(1~5)の認定を受けることで利用することができます。
要介護の認定申請がされると、市町村の職員が被保険者のもとに派遣され、「認定調査」が行われます。この認定調査の結果と「主治医の意見書」をもとに審査会で審査が行われます。
要支援、要介護の認定を受けると、介護保険の給付を受けることができます。介護保険の給付には区分別に上限額(「区分支給限度基準額」)が決められています(5,032~36,217単位)。
利用者の負担額は、原則サービスにかかった費用の1割(利用者の所得により2~3割)負担となります。
限度額を超える分については、全額自己負担となります。
介護保険の被保険者
第1号被保険者(65歳以上)
患者さんが65歳以上の場合、疾患名に関係なく介護が必要な状態であれば、要介護認定の申請が可能です。
第2号被保険者(40~64歳)
患者さんが40~64歳の場合、介護保険の給付対象となるには一定の「特定疾病」(末期がん、脳血管障害など)により介護が必要である場合に要介護認定の申請ができます。
40歳未満は介護保険が使えない・・・
近年では医療的ケアの必要な小児が増えているなど、40歳未満であっても寝たきりあるいは、通院困難になる場合がありえます。しかし、40歳未満はどんな疾病、状態であれ、介護保険の利用ができません。
この場合、障害者手帳が取得できるのか、障害福祉サービスが利用できるのか関係機関と相談することになります。
さいごに
介護保険制度が使えない場合や健康保険の自己負担割合が3割の場合(70歳未満、所得が一定以上ある)、経済的な理由で訪問診療の回数を減らさざるを得ない患者さんもいらっしゃいます。
その場合、高額療養費制度や民間保険の利用、あるいは他の公的制度の利用ができないかの情報を提供できることで、より一層安心して在宅療養を受けていただくことが可能となります。