訪問診療の収益・在宅患者訪問診療料の算定要件
目次
訪問診療(在宅医療)の診療報酬はこの3つが基本
1.在宅患者訪問診療料:888点/213点
・在宅医療における診療報酬のメイン
・看取りに関連する加算あり
2.往診料:720点
・患家の求めに応じて、医師がその必要を認めた場合に患家に赴き診療をした場合に算定
・往診実施時間に応じた加算あり
3.在宅時医学総合管理料(在医総管):2750点
・診療所の体制(施設基準)により点数が変わる
・在宅患者訪問診療料と並び、在宅医療における診療報酬のメイン
・計算が複雑
在宅患者訪問診療料の算定要件
あらかじめ患家への訪問が計画されたものであること
〇 在宅患者訪問診療料は、①患者や家族の同意を得て、②計画的な医学管理の下、定期的に訪問診療
した場合に、③当該患者1人につき、「週3日」を限度に算定できる
〇 「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当する患者や、一時的に手厚い医療を必要とする患者につい
ては、「週3日」の制限が外れる
〇 在宅時医学総合管理料・在宅がん医療総合診療料の算定要件を満たす他の医療機関の求めに応じて
診療をした場合には、「在宅患者訪問診療料Ⅱ」の算定が可能
〇 同一日に、同一の建物に居住する複数の患者を診た場合には、点数が884点となる
算定が認められる患者(通院困難な者)
訪問診療は、継続診療が必要ない者や、通院可能な者に対して安易に算定してはならない。
「通院が困難」かの判断は、主治医の判断によるとされているが、少なくとも、独歩で家族などの介助なしに通院できる者は、「通院困難」とはみなされない。
在宅患者訪問診療料の加算
在宅ターミナルケア加算(3500点~)
在宅で死亡した者(往診または訪問診療実施後、24時かに内に在宅以外で死亡した場合を含む)について、その死亡及び死亡日前14日以内に2回以上の往診または訪問診療を行た場合に算定
在宅緩和ケア充実診療所加算(1000点)・在宅療養実績加算1・2(750点・500点)
厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして、地方厚生局長に届出が必要。当該基準に掲げる区分に応じて算定。
看取り加算(3000点)
事前に患者またはその家族等に対して、療養上の不安等を解消するために十分な説明を行い同意を得たうえで、死亡日に往診または訪問診療を行い、患家で看取った場合に限り算定できる。なお、臨終の際の立ち合いまでは求められていない。
死亡診断加算(200点)
看取り加算の要件を満たさない場合、こちらを算定
在宅医療の診療報酬制度に精通した人材は少ない
訪問診療専門診療所を最低限の人員で立ち上げようとする場合、院長の他看護師1名、事務員1名といったところでしょうか?
看護師は、すでに訪問看護を経験している人材を当初から雇用することも、それほど難しくはないかもしれません。しかし、訪問診療の診療報酬制度に精通した事務職はあまり多くはないと言われています。院長(医師)や看護師も診療報酬制度について知っておくことは決して無駄ではありません。
むしろ、訪問診療の診療報酬制度に精通する人材がいないことをプラスにとらえ、全員で学んでいくことも長い目で見れば診療所経営にとって必ず財産となります。
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