遺言書でできること~もめない遺言書の作り方

5月 7, 2021 相続

遺言書作成の主な目的は「遺産の分け方」を決めることです。

しかし、せっかく遺言書を書いても、相続人全員がすぐにその内容に納得してくれるとは限りません。つまり、遺言書は「伝え方」がとても重要になります。

遺言書で書けること(遺言事項・法的効果が認められるもの)は、民法で決められています。

遺言事項は、大きく4つに分けることができます。

1.相続の法定事項の修正に関する事項

2.相続以外の財産処分に関する事項

3.身分関係に関する事項

4.遺言執行に関する事項

これに、「付言事項」を合わせて、「もめない遺言書」を作成しましょう。

相続の法定事項の修正に関する事項

推定相続人の廃除(法定相続人の修正)

指定相続人とは、現状のままでは相続開始と同意に相続人となる者のことを言います。推定相続人の廃除とは家庭裁判所に申し出て、推定相続人の相続分を失わせることです。

廃除の理由としては、被相続人への侮辱、虐待、著しい不行跡があげられます。

廃除の手続きは遺言書で行うことができますが、家裁での審理時すでに被相続人は亡くなっているため、証明する手段が限定されてしまうという難点があります。相続人を廃除したいよほどの事情がある場合には、できれば生前に手続きをとるほうがよさそうです。

相続分の指定(法定相続分の修正)

共同相続人の相続分(割合)を定めます。

例) 長男2分の1 次男5分の2 三男10分の1 など

特別受益の持ち戻しの免除

生前に行われた贈与などは、法定相続分での分割や遺留分の計算の際に一度、相続財産に戻(贈与などが行われなかった状態に戻す)のが原則です。

【持ち戻し免除の特例】

婚姻期間(法律婚に限る)が20年以上の夫婦間で行われた贈与は持ち戻しの規定が免除されます。

遺産分割方法の指定

「誰に何を相続させるか」を決めます。

例)配偶者には自宅と現金1,000万円 長男には現金1,000万円と駐車場不動産 など

遺産分割禁止

遺産分割を一定期間(5年間以内)禁止することができます。

子供が成人するまで禁止するなどが考えられます。

付言事項とは

遺言書に書いた事項のうち、法的効力をもつのは冒頭にあげた、4つの事項についてのみです。

遺言書作成の目的のほとんどは、分割方法の指定になります。しかし、相続人全員がその分け方ですぐに納得するかと言えば決してそうではありません。

そこで、利用したいのが付言事項です。

付言事項では、「なぜ」そのような分け方に決めたのかなどを書きます。また、自分の死後も生前と変わらず家族仲良くやって欲しいとか、妻の面倒を見てほしいなど書く方もいらっしゃいます。

さいごに

遺言書を書く理由の多くは、「分け方」になります。

遺留分のことや相続税のことなど、ほかにも注意すべき点はいくつかありますが、遺言書(とくに自筆遺言の場合)の文面自体は市販の書籍などの文章を拝借すれば十分です。

しかし、市販の書籍では相続人の性格やその文章の捉え方まではフォローできません。それができるのは遺言書を書かれる本人だけです。ぜひ、「付言事項」を有効に活用してみてください。

【ワンポイントアドバイス】

1.遺言書には極力「条件」をつけない(~することを条件に不動産を相続させる など)

2.文書はシンプルに書く