訪問診療の収益・往診料の算定要件

訪問診療(在宅医療)の診療報酬はこの3つが基本

1.在宅患者訪問診療料:888点/213点

 ・在宅医療における診療報酬のメイン
 ・看取りに関連する加算あり

2.往診料:720点

 ・患家の求めに応じて、医師がその必要を認めた場合に患家に赴き診療をした場合に算定
 ・往診実施時間に応じた加算あり

3.在宅時医学総合管理料(在医総管):2750点

 ・診療所の体制(施設基準)により点数が変わる
 ・在宅患者訪問診療料と並び、在宅医療における診療報酬のメイン
 ・計算が複雑

往診料のポイント

往診はイレギュラーな患者宅への訪問

往診と訪問診療は、患者宅に赴き、診療を行う点では同じですが、診療報酬の算定のルール上はまったく異なるものです。

一番の違いは、訪問診療と異なり、「事前に予定されていない」という点です。訪問診療は、あらかじめ訪問診療契約を交わすなど患者に必要な文書の交付、訪問計画の作成などを行う必要があります。

一方、往診料の算定に当たっては、事前の取り決めなどは要件とはされず、その都度患者や家族からの要請により患者宅に赴き診療を行います。

訪問診療との関係

原則として、往診料を算定した翌日までの訪問診療料の算定はできません。

ただし、在宅療養支援診療所またはその連携医療機関・支援病院が24時間往診・訪問看護化体制を確保し、連絡担当者の氏名及び連絡先、緊急対応等について文書提供をしている患者に限り、往診料を算定した翌日までの在宅患者訪問診療料の算定が可能となります。

なお、訪問診療実施後、容態の変化などにより同日に往診を行った場合には、往診料の算定は可能です

往診料の算定要件

患者または家族などが医療機関に電話等で直接往診を求め、医師が必要性を認めて可及的速やかに患家に赴き診療を行った場合に算定できます。

算定要件に定められる、「可及的速やかに」に関しては、明確な基準はなく、依頼の詳細に応じて医師が医学的に判断することになります。

往診の回数については、1日あたりの制限はありません。往診を行った都度、往診料の算定が可能です。往診料は、実施した「時間」と実施の必要性が算定のポイントになります。明細書への記載がしっかりと行われているかのチェックを忘れずに行いましょう。

往診料の加算(カッコ内は在支診以外の場合)

緊急往診加算:650点(325点)

医療機関の標榜時間でもっぱら診療に従事している時間内に、患者またはその看護にあたっている者から緊急に求められて往診を行った場合

夜間・休日往診加算:1,300点(650点)

18時から翌朝8時までに往診した場合

深夜往診加算:2,300点(1,300点)

22時から翌朝6時までに往診した場合

訪問診療専門診療所の場合の緊急往診加算の取り扱い

訪問診療専門診療所の場合、いわゆる外来型診療所のように、外来患者対応をする時間(診療時間)に、緊急に要請に応じるという場合がありません。

そのため、訪問診療専門の診療所の場合は、予定していた訪問の順番をずらして緊急に往診依頼された患家に行った場合に、一定の要件に該当していれば、緊急往診加算の算定が可能となります。

算定ができる範囲決まっている

保険医療機関の所在地と患家の所在地とが16kmを超える往診または訪問診療(往診等)については、往診等を必要とする絶対的な理由がある場合には認められます。

【絶対的な理由とは?】

○患家の所在地から半径16km以内に患家の求める診療に専門的に対応できる保険医療機関が存在
しない場合

○患者の求める専門的な診療に対応できる保険医療機関が存在していても、当該保険医療機関等が
往診等を行っていない場合等

往診料と経営戦略

他院との連携

医師一人の診療所が24時間の往診に対応し続けるのは心身への負担が大きくなります。

そこで検討される対策の一つが、複数診療所で連携し、輪番制などで対応するというものです。同じ問題を抱えている医師同士で連携するのは一見すると利害が一致するので良い考えに思えます。

しかし、情報の共有やルールの策定、診療報酬の分配について、そして患者の状態によっては診療所感で負担感も変わるため、うまく機能させるには相当工夫が必要です。

往診を強化する

複数診療所で連携し、夜間(深夜)〜早朝帯の往診に対応する体制をとるのであれば、非常勤医師を雇用するなどして、自医院が中心となり、他院の患者の往診の依頼を受け入れるほうがよいでしょう。

特に、看取り実績が在支診の診療報酬算定要件となる訪問診療専門診療所の場合、24時間診療体制を確立していることがほとんどですから、地域の他院にその機能を開放することも経営戦略の一つとして検討する価値があります。

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