医療法人の「非営利」とは

2月 18, 2021 医療法人設立

医療法人は「非営利法人」に属します。

非営利を「利益をあげてはいけない」と勘違いされる方が少なからずいらっしゃいますが、医業経営も「経営」である以上、収益をあげることは当然であり、重要なことです。

では、「非営利」とは何を意味するのでしょうか?

1.非営利とは「配当禁止」のこと

医療法人に限らず、「非営利法人」とは、剰余金の配当が禁止されている法人のことを指します。医療法では54条で【剰余金配当の禁止】が明文で規定されています。

平成25年以前に設立された医療法人の多くは、退社時に出資持ち分に応じた払い戻しを受けることができる「持分あり医療法人」でした。

持ち分に応じた払い戻しが受けられる権利は、出資者にとっては大きなメリットである反面、医療法人の財政基盤に影響を及ぼすことが問題となっていました。また、剰余金配当の「後払い」的性格がかねてから指摘されていました。

そのため、現在設立が認められている医療法人は、出資額相当の返還を受けることができるだけの、いわゆる「持分なし」の医療法人のみとなります。

2.医療法人が行うことができる4つの業務

① 本来業務(医業)

② 付随業務:本来業務の一部として又はこれに付随して行われるもので、
       収益業務にあたらないもの。定款への記載は不要。

③ 附帯業務:本来業務に支障のない限りで認められる。定款への記載(あ
       るいは変更)と、知事の認可が必要(医療法42条)。

④ 収益業務:社会医療法人に認められる。収益を目的として行うことがで
       きる(医療法42条の2)。

3.内部留保はどうなるのか

剰余金の配当が禁止されているため、毎年一定の収益をあげている医療機関の場合、内部留保が増えていくことになります。医療法では、内部留保の使途を医療提供体制の維持・強化(医療設備への投資、施設の修繕・増改築、人材確保など)のために予定しています。

その他、「役員報酬」として、適切に処理していくことになりそうです。

さいごに

医療法は、新たに設立できる医療法人を「持分なし」のみとするなど、「非営利」を徹底しています。その他にも、設立する医療法人と利害関係のある営利法人の役員兼任に慎重であったり、剰余金の配当と同視できるような役員報酬が認められないなど、医療法では明文化されていない制約もあります。

とくに、役員報酬に関しては定款で定めることが必要となります。税理士・行政書士などの意見を参考にすることをお勧めします。