在宅医療という選択肢

いま再び注目される在宅医療

1.在宅医療の沿革

1965年前後

 かつての日本の診療所の役割は、診療所での診療の他、急性疾患(感染症、脳卒中)に対する患者宅での往診でしたが、救急搬送の手段の充実や救急医療の進展により、次第に診療所の往診の役割は減少していくことになります。

~1990年代前半

 障害を持つ患者さんや終末期にある患者さんに対する在宅での医療の提供が病院を中心に行われるようになります。

現在~

 加齢や障害などにより従来のような定期的な通院が困難となった患者に対する医療の提供が中心となります。高齢化による疾病や生活習慣病など必ずしも入院療養を必要としない場合、終末期にあって長期間病院にいるよりも住み慣れた環境(自宅など)で最期を迎えたいという患者さんの希望に応える「支える医療」にシフトしています。

2.医療機関にとっての在宅医療

2025年・2040年

 2025年以降、超高齢社会となり、在宅医療の対象となる患者数は今後増加の一途を辿りますが、受け皿となる医療機関の数は充分ではありません。また、2040年をピークに外来患者は次第に減少していきます。

3.患者にとっての在宅医療

 加齢や障害により従来のように定期的に通院することが難しくなってきた患者さんにとっては、かかりつけの医師にこれまでのように見てもらえるという安心感があります。

 また、入院以外の選択肢として自宅での療養、自分らしく最期を迎えたい要望の増加もあります。

最後に

 社会的な関心やニーズの高まり、医療政策の流れ(診療報酬は高く設定されている、病院機能の見直しなど)に加えて、多職種(看護、介護、リハビリなど)で連携して在宅医療を提供する土壌が充実してきたことなど、診療所の経営という観点からも在宅医療導入は検討の価値があります。