定款~設立総会

 「医療法人設立認可申請」をするには、大量の書類の収集作成が必要となります。なぜかというと、医療法人制度は医療機関の経営に永続性を持たせ、地域における医療の重要な担い手としての役割を積極的に果たせるようにすることを目的としているため、それを判断するためにも大量の書類の提出を要求しているのです。

 設立総会(設立手続のひとつ)は、この定款(の素案)をもとに議事を進行し、社員の承認を得ていくことになります。

定款とは

  医療法人設立認可申請おいて、定款の作成は欠かせません。「定款」とは、簡単に言えば「医療法人のルールブック」です。これから設立しようとする医療法人の「重要な事項」について、あらかじめ決定しておくものです。

  定款には内部組織や運営ルール、重要な財産の処分方法が定められ、医療法人の内外に周知されます。定款は、内容を変更するときも都道府県知事の認可を必要とします。作成当初から細心の注意をもって行いましょう。

定款の記載事項

 一般的に定款には「必ず記載しなければいけない事項」(絶対的記載事項)と定款の定めがなければ「効力を生じない事項」(相対的記載事項)、そして、記載しても効力の生じない事項があります。

 定款は基本的に各都道府県が示している定款例に従って作成していくことになりますが、いくつかある重要ポイントについては理解をしておく必要があります。とくに注意したいのが次のポイントです。

1.絶対的記載事項(医療法44条2項)

① 医療法人の名称

 「医療法人〇〇会」という名称が一般的に使用されていますが、必ずしも「~会」としなければいけないわけではありません。また、同一の都道府県内で同名の名称を使用することはできません。
 事前に使用可能かどうかの確認をしておく必要があります。

② 基本財産

 不動産や運営資金などの重要な財産については、「基本財産」とするようにとされていますが、基本財産はのちに処分することが困難になってしまいます。何を基本財産とするかは慎重に検討しなければなりません。

③ 役員の人数

 理事の人数は「3名以上~名以下」というように、上限と下限を設ける必要があります。将来的にお子様が理事に加わる予定がある、分院を開設する計画がある場合などは、あらかじめ上限に余裕を持った規定にしておくと便利です。

※ あらたに分院を開設するなどした場合、管理者はかならず理事になる義務があります。

④ 役員の報酬

 役員の報酬を定める方法はいくつか例示されていますが、あらかじめ金額を決定してしまうと、のちに変更したい場合、定款を変更する必要が出てきます。柔軟な決定ができる規定にしておくべきです。

2.相対的記載事項

 ここで特に注意しなければならないのが、「基金」についてです。
 特段の事情のない限り、社団医療法人を設立する場合、通常は「基金制度」を採用し、設立当初必要な資産を基金拠出します。基金制度についての記載を忘れてしまうと、設立時に拠出した資産について、のちに返還を受けることができなくなります。

3.無効な事項

 現在設立できる医療法人は「持分なしの医療法人」のみになります。そのため、社員に剰余金又は残余財産の分配ができる旨の規定をすることができません。

設立総会

 社団医療法人は、設立に賛同する複数名が集まって設立者となり、定款(案)や、設立時の役員や資産、事業計画などについて合意を定める必要があります。このための話し合いの場が設立総会になります。

 通常、設立時社員がそのまま設立後の社員となりますので、この時点で3名以上の設立者が必要となります。

 とくに、定款の記載事項については、設立後に変更をしようとすると改めて定款変更についての認可を得なければなりません。事業計画も含めて、将来を見据えた話し合いの場にするべきです。