失敗しないためのパートナー選び

 クリニックの開業は着手してから、開業(診療開始)まで、1年半から2年の時間を要する長期の
プロジェクトです。

 クリニックの開業のためには、主なものだけでも、事業計画の策定、不動産選定と内装工事、事
業計画の作成と資金調達、その他にも医療機器や薬剤の選定、人材雇用から宣伝広告などがありま
す。
 当然、これらのほとんどが外部の業者との作業となります。交渉事も避けては通れません。

 このプロジェクトには数千万円単位のお金が動きます。

 よほど資金に余裕がない限り、独立開業とは、

莫大な借入金を背負うこと

 おのずと、すべてを自力で行うことはとても難しいことです。

 クリニック開設のためのコンサルタントを行う業者はたくさんいます。所属母体によるコンサル
タントの違い、強味などを理解し、賢くコンサルタントを使うことも、失敗しない開業のための条
です。

コンサルタントの種類と特徴

1.専業コンサルタント

 開業時に限らず、開業後の経営・運営顧問や経営戦略立案、介護事業開設や事業承継などコンサ
ルティングそのものを業とするコンサルタントです。コンサルティングそのものが商品であるため、
自社のその他の商品を買わせることはありません。

 開業支援の場合、総額で数百万円の費用がかかる場合がありますが、しがらみなく完全にドクタ
ーの立場に立った交渉をしてもらうことができます。

2.コンサルティング営業

 医薬品卸、医療機器ディーラーや内装業者、リース会社などが自社の販路拡大のために開業支援を
行っている場合です。開業後の取引先としてサービスを利用することが条件となり、そこに交渉の余
地はありませんが、開業支援自体は無料で行われることがほとんどです。

 担当者にもよりますが、開業後の取引が有利になったり、いい条件で開業できる場合もありますが、
その逆もあり得ます。無料で開業の支援が行われるということは、必ずどこかで回収しなければなりま
せん。

 慎重に見極めることが必要です。

3.士業等専門職

 税理士、行政書士やFPなどの専門職が業務に付随して、またはその一環として開業支援を行ってい
る場合です。開業自体の支援を有償でする場合と、開業後の顧問契約を条件として無料化低価格でコン
サルティングを行う場合があります。

法律上の制限

 コンサルタントを名乗ることや、コンサルティングを行うことに法律上の制限や根拠は必要ありませ
ん。しかし、提供する業務の内容によっては法律の制限を受ける場合があります。
 法律上の制限がある業務について無資格の者が行った手続きは当然に法律上処罰の対象となりますが、
依頼した側も処罰対象となることがあります。

 コンサルタントに依頼する場合には、相手が必要な資格を持っているのか、あるいはしっかりとした
提携先があるのかを確認してください。

コンサルタントとの付き合い方

 コンサルタントと一口に言ってもそれぞれに特徴があることがお分かりいただけたと思います。

 そのうえで心掛けなければいけないことは、決して「丸投げ」をしないということです。あくまでも、
開業するのはドクター自身であり、手続きの一切をコンサルタントに任せていたので知らない、わから
ないでは、その後のクリニックの経営はうまくいくでしょうか?

 任せるにしても、必ず報告を求めてください。そしてわからないことはその都度しっかりと確認して
ください。もし、信頼関係が揺らぐようであれば、すぐにほかのコンサルタントに換えることも必要な
判断です。