みなさまの中には、すでにご両親やご親族の相続を経験されたかたもいらっしゃるかと思います。
 遺産分割協議でもめた話、名義の変更等の手続きが思いのほか大変だったことなど、ご記憶にありませんか?

 遺言書の有無は、相続手続きにおいて負担の軽減に影響してきます。
 「遺言書は、財産のたくさんある人のもの」という考えは、もしかしたら改めなければいけけないのかもしれませんね。

1.遺言書とエンディングノートの違い

 相続手続きにおいて、遺言書が存在していれば、相続人間で納得しない方がいても、必要な書類さえそろえれば、その遺言書どおりの分割方法で手続きを進めることができます。これがいわゆる、遺言書の「法的効力」と言われるものです。

 特定の相続人に財産を多く残したい(あるいは、少なくしたい)などの要望がある場合には、あらかじめ遺言書を作成しておくことが役に立ちます。

 しかし、「エンディングノート」の場合そのようなわけにはいきません。

 既に書店などで「エンディングノート」を見たことがある方はご存じかもしれませんが、エンディングノートの内容は大変充実しています。1冊を埋めることができれば、ご家族にとって必要な情報はすべてそろうといっても過言ではありません。その意味では、改めて遺言書を作成する必要はないかもしれません。

 つまり、「法的効力」があるかどうか、ここが一番の違いとなります。

2.エンディングノートの役割

① これまでの「あゆみ」の棚卸

 エンディングノートの記入項目はたいへん充実しています。
 生年月日、本籍地、血液型などの基本的情報から、財産の目録、友人の連絡先、葬儀の希望、持病・お薬の情報。そして、「自分年表」がついているものなどもあります。

 現在のご年齢はおいくつでしょうか?
 「人生100年」と言われる時代に突入しました。まだまだ、遺言書を考えるには早いと思われるのも当然です。
 ですので、これまでを振り返り、これからを考えるためのツールとして、エンディングノートのご活用してみるのもいいかもしれません。

② 遺言書の下書き

 遺言書に記載できる事項は以下のような内容です。

  •  相続の法定事項の修正に関する事項 
  •  相続以外の財産処分に関する事項(遺贈、死因贈与等)
  •  身分関係に関する事項(認知)
  •  遺言の執行に関する事項

 何もない状態から遺言書を作成するのは、心の準備も含めてハードルが高いかもしれません。いろいろと振り返るうちに、財産の分け方にも変化が出てくるはずです。
 

遺言書とエンディングは「相互補完」の関係にあります。
どうぞ、ふたつを上手に活用して、「円満相続」を目指してください。