エンディングノートと遺言書

エンディングノートと遺言書はまったくことなるものです。

ご存じかもしれませんが、エンディングノートで書いたことは、法律の保護を受けることができません。ですが、遺言書も万能ではありません。法律の保護を受けることができるのは、法律で定められた事項についてのみです。

両方の特徴をしっかりと理解し、万全の準備をしましょう。

エンディングノートの役割

生前に役立つエンディングノート

1.財産目録を作る

エンディングノートには必ず、預金口座や所有不動産その他財産目録作成に役立つページがあります。ここで作成した目録を基に、誰に何を残すか?どの財産を処分してしまうかを考えます。

2.「もしも」のときのために

不意に倒れてしまったときや、長患いの途中で認知症を発症してしまった場合など、看取りを含めた治療方針について意思表示ができなくなることが考えられます。

この場合、難しい判断を迫られるのはご家族です。エンディングノートで「どうしてほしいか」を書いておくことで、ご家族の判断の役に立ちます。

死後に役立つエンディングノート

1.自分史を作る

自分史を残すことで、どれだけ苦労して財産を作ったのか、どれだけ家族を大切にしてきたかなどが伝われば、遺言書がなくても、遺産分割での話し合いがスムーズにいくかもしれません。

2.交友関係について

最近では「家族葬」が珍しくありません。ご本人の希望の場合もあれば、ご家族の判断の場合もあります。

その場合でも、故人の親しかった友人に何の連絡もしないわけにはいきません。とくに親しかった方のお名前やご住所がわかれば、書いておくといいかもしれませんね。

エンディングノートの欠点

 ずばり「法的効力がない」という点です。

たとえば、遺産分割の方法を事細かにしてしたとしても、残念ながら法的な拘束力を認めることはできません。あくまでも、尊重すべき故人の希望に過ぎないということになります。

遺言書の役割

遺言書で書けること

 1.相続の法定事項の修正に関する事項 

 2.相続以外の財産処分に関する事項(遺贈、死因贈与等)

 3.身分関係に関する事項(認知)

 4.遺言の執行に関する事項

遺言書作成の目的の多くが、1.又は2.になります。(特定の相続人に多く財産を残したい場合(あるいはその逆も)、相続人以外の方に遺産を贈りたい場合、あるいは婚外子の認知を行いたい場合など)。

有効に作成された遺言書があれば、遺言書(つまり、ご本人の意思)が法律に優先されます。法定相続分とは異なった遺産の分割をご希望であれば遺言書が必要となります。

晩年に献身的に介護をして支えてくれたお嫁さんに特別に感謝のお気持ちを残したい場合などは、遺言書に記載する必要があります(民法の改正により、「特別寄与」という制度が作られましたが、十分な評価を得ることはたいへん難しいと考えてください)。

遺言書があれば便利

遺言書があれば、相続人全による遺産分割協議が不要になります。

遺言書と手続きごとに必要な書類を揃えれば、すぐにでも名義変更等の遺産整理手続きに入ることができます。